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2019年09月27日

四大監査法人を比較!3つのポイントとは?|規模別の監査法人比較

監査市場の大部分を独占しているといっても過言ではない、四大監査法人について、売り上げ、クライアント数、人員という3点で比較し、その違いや特色を解説しています。同時に中小の監査法人との比較についても記載しているので、監査業界に進みたい方は参考にしてみてください。

四大監査法人を比較!3つのポイントとは?|規模別の監査法人比較

監査法人とは

監査法人は、監査対象が法令や規則に従った正しい会計処理を行っているかを第三者的視点から調査し、結果を関係者に報告・説明する業務や、非監査業務として、株式公開支援業務、M&Iアドバイザリー業務なども行います。

また、会計に関する専門的な知識や経験を用いて、財務処理の調整、財務に関する調査・立案、財務に関するあらゆる相談に応じるコンサルティング業務を行うこともあり、通称「2項目業務」と呼ばれています。

四大監査法人

日本における四大監査法人は、有限責任あずさ監査法人、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、PwCあらた有限責任監査法人の4つを指します。

日本には大小様々な監査法人が220社以上ありますが、この四法人で、東証一部上場企業の約7割を監査しており、規模の面で抜きんでています。この記事では「四大監査法人」を売り上げ・利益、クライアント数、人員の3つのポイントから比較し解説していきます。

四大監査法人を比較!3つのポイント

四大監査法人を、売り上げ・利益、クライアント数、人員数の3つのポイントから、比較し、それぞれ詳しく解説していきます。平成29年の最新資料をもとに四大監査法人の経営状態、特徴、強みなども同時に比較して解説していきます。

四大監査法人の比較ポイント1:売り上げ・利益

四大監査法人の業務収入を比較してみると、EY新日本有限責任監査法人を除く三法人が、増収し、明暗が分かれる形となりました。

ここでは、従来の監査業務とアドバイザリー業務などを含む非監査業務の二極化が進んでいる監査法人の業務収入、利益についても比較しながら詳しくみていきます。

なお、単純に売上高で比較すると、トーマツ、EY新日本、あずさ、PwCあらたの順になります。

有限責任あずさ監査法人

29年度に入り、有限会社あずさ監査法人の業務収入は3位になり、EY新日本有限責任監査法人の業務収入が減少したことで僅差に迫っています。

構成員、社員ひとりひとりの業務収入を比較すると、あずさ、トーマツ、PwCあらたは、ほぼ同水準です。

業務利益に着目すると、業務収入が43億円増加したものの、業務費用(人件費、IT及び通信費など)が55億円増で、営業利益は減少しています。

EY新日本有限責任監査法人

EY新日本有限責任監査法人の業務収入を比較してみると、29年まで首位でしたが、トーマツに抜かれ、3位のあずさも僅差で迫っています。

しかし、営業利益で比較すると、金額、利益率ともに、EY新日本有限責任監査法人がトップです。

EY新日本は、他法人が人件費を増加している点と比較し、大幅な人員削減を行っています。結果的に業務収入の減少を一割にとどめ、構成員ひとりひとりあたりの業務収入はトップとなってます。

有限責任監査法人トーマツ

業務収入を比較すると、有限監査法人トーマツがEY新日本を抜いて首位になっており、特に、アドバイザリー業務を中心とした非監監査証明収入で業績を伸ばしています。

しかし、監査法人トーマツは業務収入が337億円増加したのに対して、人件費なども344億円増加しており、営業利益は減少しています。

他法人と比較し、人員が僅か9名増なのに人件費が増加しているのは公認会計士の採用、研修拡大のためと言われています。

PwCあらた有限責任監査法人

PwCあらた有限責任監査法人は、29年度の社員数が130名と少人数でありながら、社員ひとりあたりの収入は3億円を超えており、他の三法人の2倍程度という結果になっています。

営業収入が33億円増加したものの、人件費等が計43億円増加したため、結果的に営業利益は減少しています。

PwCあらた有限責任監査法人は、他法人と比較するとアドバイザリー業務のような非監査業務による収益の比率が最も高くなっています。

四大監査法人の比較ポイント2:クライアント数

四大監査法人をクライアント数から比較してみました。ここでは、監査証明のクライアント数と、非監査証明のクライアント数の比率も比較しています。それぞれの監査法人が、何に力を入れているのか、どういった経営理念や戦略があるのかも説明していきます。

なお、単純にクライアント数を比較して順位にすると、EY新日本、あずさ、トーマツ、PwCあらたの順になります。

有限責任あずさ監査法人

有責任あずさ監査法人は、四大法人を比較した中で唯一、監査証明クライアントが増加しています。

あずさ監査法人は、働き方改革の一環で2017年8月に「過重労働プロジェクト」を発足し、新規監査業務の受嘱を停止していたにもかかわらず77社の増加となっています。

一方で、非監査クライアントの比率は、37.34%と最も低くなっています。全体を通しても、395社の減少となっており、非監査業務に慎重な傾向が窺えます。

EY新日本有限責任監査法人

監査クライアント数はEY新日本有限責任監査法人が首位を守っています。ただし、有責任あずさ監査法人は四大監査法人を比較した中で唯一、監査証明クライアントの数を伸ばし、EY新日本を僅差にまで追い上げています。

EY新日本は、東芝事件に伴う行政処分の影響で監査クライアント大幅な減少が予想されましたが、クライアント離れは、3期合計で195社となり一段落した様子がみられます。

有限責任監査法人トーマツ

監査法人トーマツは、前々期147社減、前期は28社減、当期は61社減となっており、3期合計で236社のクライアントが減少しています。他法人と比較し現象数が顕著です。

これに関しては、監査法人トーマツの新規締結や更新のポリシーが年々厳しくなっていることが関係していると見られています。契約更新のためには、従来より厳しい審査基準をクリアする必要があり、監査契約が打ち切られている会社も含まれています。

PwCあらた有限責任監査法人

PwCあらた有限責任監査法人は、四大監査法人の中で前年比121社増とクライアント数を伸ばしましたが、まだ国内における知名度が低く、比較的新し監査法人であることから、上位三法人には及びませんでした。

しかし、他の三法人と比較して減少傾向にある、非監査クライアントを獲得に積極的です。非監査クライアントの比率は52.6%にも及び、監査クライアントの比率を上回っているのが、会社の特色と言えるでしょう。

四大監査法人の比較ポイント3:人員数

四大監査法人の人員のポイントから比較し、公認会計士の割合などにも注目して解説していきます。

なお単純に、人員総数の順位は、トーマツ、あずさ、PwCあらた、EY新日本となっています。

有限責任あずさ監査法人

総人員数に関しては、前年3位だった有限責任あずさ法人が約200名増加し、四大監査法人の2位に浮上しています。

公認会計士である社員及び特定社員の合計人数では、2期連続で有限責任あずさ法人が1位となっています。公認会計士のスタンダードな監査業務に力を入れ、監査クライアントを獲得している会社なので、有資格者が優遇されると言ってもよいでしょう。

EY新日本有限責任監査法人

総人口数が、平成29年度2位だったEY新日本有限責任監査法人は、約700名減少し、四大監査法人3位になりました。ただし、公認会計士、会計士合格者の人数比率は、四大監査法人の名では1位となっています。

これは、30年に減少した人員687名の約8割にあたる548名が、監査法人補助員やその他の事務員であり、社員や公認会計士以上に、監査補助役員や事務職員が大きく減少したことが原因と考えられています。

有限責任監査法人トーマツ

有限責任監査法人トーマツの人口総数は、横ばいではあるものの1位を独走しています。公認会計士の比率も横ばいですが、注目すべきは、監査補助員数がこの5年で2倍近くに増加している点です。

千葉に設けた「トーマツ監査イノベーション&デリバリーセンター」のように、デジタル技術を活用して、公認会計士などの資格保持者でなくとも監査業務を補助するシステムが構築されていることが大きく関係しているといえるでしょう。

PwCあらた有限責任監査法人

PwCあらた有限責任監査法人の総人員数は、他法人に比べると、半分ほどですが、前年比278人増となっています。

PwCあらたの社員数は145名と他の三法人と比べ約4分の1となっており、公認会計士等の有資格者比率も50.67%と最も低くなっています。

これは、他法人の業務収入に占める監査収入費が他法人より低く、アドバイザリー業務など非監査証明業務に従事する有資格者以外の人材が多いことが起因しています。

規模別!監査法人の比較

公認会計士の多くは、四大監査法人に入りやすい傾向にあります。大手海外会計事務所の傘下に入っていたり業務提携しており、グローバル展開もされています。

どうしても、無名の中小監査法人の方が規模が小さく質が劣るのではないかという先入観を持つ人もいるでしょう。

ここでは、法人規模の違いによって、業務の内容や忙しさに違いがあるかを解説していきます。

規模別!監査法人の比較:大手監査法人

四大監査法人は、監査システム、監査ツールのIT化が圧倒的に進んでいます。

中小監査法人の経営者のほとんどは、四大監査法人の出身者のため、規模によって仕事のクオリティーに差はないと言えるでしょう。

忙しさは、四大監査法人は内部資料作成に終始追われる傾向にあり、繁忙期の4月~6月は、クライアント数や規模が大きいため、忙しくなるでしょう。

年収や初任給は一般的に四大監査法人の方が高く、福利厚生も充実しています。

規模別!監査法人の比較:中小監査法人

中小監査法人で働く最大の利点は、クライアントとの距離が近いことで人脈形成がしやすいことでしょう。税務の知識が大手より求められ、自然に実力がつきます。

資本政策についてのアドバイスを求められたり、ファイナンスに特化した外部専門家と接することができ仕事の幅が広がります。

大手監査法人にいると、目の前の監査に追われますが、将来的に独立を考えているなら、必要なスキルを習得しやすい環境にあると言えます。

比較して希望の監査法人で働こう!

四大監査法人と一言で言っても、単に規模の大きい会社ではなく、売り上げ・利益、人員数、クライアント数が異なり、現状や得意とする業務内容も違っています。

また四監査法人は、基本的に高給ですが、目の前の仕事に追われる激務という点では共通しています。もし、クライアントと距離が近く、アドバイザリー中心の仕事を行っていきたいのであれば、四大監査法人から独立し、中小監査法人に転職することも視野に入れましょう。

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