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2019年09月30日

監査業務にAIを導入するメリット5点|導入における注意点も解説!

AI技術の実用化が進んできて、より複雑な監査への適用が検討されてきています。実際に監査にAIを取り込む場合のメリットや注意しなければならない点を取り上げてみました。現時点でのAIによる監査の可能性を理解し、メリットを十分に活かす形でAIを取り込みましょう。

監査業務にAIを導入するメリット5点|導入における注意点も解説!

現在の監査業務のAI導入状況

現在、コンピューターのハードウェアの劇的な性能向上とコストの低下により、AI理論が現実の解析や分析に適用できるようになってきました。

実務に近いレベルでAI技術を活用する研究が進んでおり、パイロット的な業務へのAI技術の適用が始まってきています。

AI技術の典型的な適用可能な業務として会計監査が挙げられていますが、会計監査業務へのAI技術の導入状況について見ていきましょう。

第3次AIブームとは

AIにはこれまで1950年ころのコンピューターで推論・検索を行わせる第1次AIブーム、1980年代の知識を蓄積させるエキスパートシステムの第2次AIブームがありました。

現在の第3次AIブームは2005年ころから起こり、1970年代に提唱された理論がハードウェアの性能向上とコストダウンにより実装可能になったことにより起きています。

これにより、監査などにAIを適用できる可能性が高くなってきました。

AIの得意分野3点

AI技術は人間にはできないような大量の情報について、網羅的に、正確かつきわめて短時間での分析を行うことができます。

反面、場の空気を読んだり、直観的な判断や対人コミュニケーションによる隠し事の有無の判断などは不得意です。

ここでは、監査時におけるAIの得意分野について具体的に見ていきましょう。

AIの得意分野1:短時間での計算処理

AIの得意分野で短時間での計算処理が得意ということが挙げられますが、提出されたデータの整合確認において有効です。

会計の基準、ルールなどの定型のアルゴリズムに則った計算をAIに行わせれば、被監査者から提出された実績データなどを分析して、基準から逸脱したデータをピックアップすることが可能です。

AIの得意分野2:大量データの記憶や処理

AIは大量データの記憶や処理が得意ですが、監査において活かせるのは数年間にわたる大量の情報を処理する継続的監査において異常値を検出することです。

大量データの記憶や処理は会計処理で使われると有効ですが、AI監査においても人手で対象の情報の齟齬や不整合を探すより格段に効率よく処理できます。

AIの得意分野3:網羅的な検索

AIの得意な網羅的な検索は、これまでの監査で抜き取りで検査することしかできなかった情報を、すべて網羅して異常を検出することに使えます。

これまでは限られた期間で人手で深掘りしないといけないため、監査関係の情報すべてにあたることができませんでした。

AI技術を使うことで、アルゴリズム化されたルールで全情報を精査することが可能になります。

AIの不得意分野3点

AIは人間を超えた全能のツールのように言われていますが、自己学習による進化はまだ現実的ではなく、現時点ではプログラミングやルール化による分析が始まったばかりです。

会社の方針や人の考え方など一般化できない情報の妥当性の判断や、故意に隠された情報などを見抜く直観的な視点などはまだAIに実装できません。

監査に関して、AIの苦手な分野をご紹介します。

AIの不得意分野1:直感的な処理

実際の監査においては、経験を積んだ監査者がちょっとしたデータの不整合から直観的に不正を見抜くケースがあります。

直観的な認識はAIの不得意分野であり、AIが監査の現場でデータや相手の対応から有意な認識を引き出すのは難しいでしょう。

しかし将棋やチェスで、AIが有段者よりも優れた手を指して勝利しています。監査担当者の経験知をAIに教えていくことができれば、監査の現場でもAIが有効になるでしょう。

AIの不得意分野2:文脈依存的な推論

AIはデータ関連外の情報を認識できないので、監査でよく行われる文脈に依存するような推論に基づく判断はできません。

監査で行われる情報の整合性は、複数の部門や社外の関係企業とのやり取りで決まり、因果関係を理解していないと適切かどうか判断できません。

この分野でAIを活用するためには、AIに業務の因果関係を含めたフレーム情報を理解させなければ難しいでしょう。

AIの不得意分野3:対人コミュニケーション

AIはまだ対人コミュニケーションができるほど成熟していないので、監査の現場で得られる言語情報を分析させるのは難しいです。

人間は相手の表情を見たり、場全体の空気を感じて判断しますが、空気感は定量化しにくいもので、AIにはまだ適用できません。

人の表情を分析するAIも開発されてきていますが、監査に使えるレベルになるにはまだ時間がかかるでしょう。

監査にAIを導入するメリット5点

監査にAIを導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。

監査する側のメリットは、これまで不可能だったデータの全数検査が可能になるとか、監査日だけでなくリアルタイムで毎日のデータを精査できるなどのメリットがあります。

監査される側が監査にAIを取り込むことで得られるメリットは何でしょうか。

監査にAIを導入するメリット1:リスク管理の向上

監査にAIを導入することで、年に一回の監査だけでなく、随時監査項目をチェックされることでリスク管理を向上させることができます。

年に一回しか監査が行われない場合は、その前後に不正を隠ぺいする工作をすればごまかすことができますが、AIを導入することで、データ発生時にリアルタイムで自動的に整合性を確認することができ、不正を見逃すリスクを大幅に軽減できます。

監査にAIを導入するメリット2:契約書レビュープロセスの自動化

監査にAIを導入することで、契約書を締結する前に問題を知ることができ、手戻りを防ぐことができるようになります。

AIにより、常に契約書の内容を確認できる体制にしておけば、監査時になってから不整合を指摘されるのではなく、内容をレビューされた契約書を締結することができるようになります。

AIによる自動レビューを導入することで、内容に問題がある契約書で行われる取引をなくすことができます。

監査にAIを導入するメリット3:在庫管理の効率化

監査にAIを導入することで、不適正な処理が行われやすい在庫の管理についても発生時に確認することができます。

入庫、出庫などの際のちょっとした手違いが適切に記入されないことで、実在庫と帳簿の在庫が合わなくなってしまった場合、年一回の監査で指摘されてもその手違いを明確にするのは困難です。

AIでリアルタイムにチェックされることで問題が発生した時に対応でき、在庫管理の精度と効率化を実現することができます。

監査にAIを導入するメリット4:投資計画や人員計画の策定

監査にAIを導入することで、投資計画や人員計画を早いタイミングで見直しできるようになります。

日々の業務活動の中で、少しずつ変わってゆく状況を把握するのは難しく、大きな差異が出た時点で初めて投資計画や人員計画の見直しを検討することになってしまいます。

実勢データをAIがリアルタイムで監視している場合、レポートから状況変化をいち早く拾うことができるようになり、投資計画や人員計画を見直すことができます。

監査にAIを導入するメリット5:バリューチェーン分析

監査にAIを導入することで、業務の実勢の全データを取り込んでの分析が可能になり、不採算機能や高付加価値機能を明らかにすることができます。

バリューチェーンの分析は有効であるのがわかっていても、部門を横断した大規模な情報収集が必要で、実際に実施するのは困難です。

AIで全社のビッグデータを分析することで、解決が必要な課題の洗い出しや、競争優位性を高めることのできる情報を得ることができます。

AIを監査に活用する際のポイント2点

AIを活用における留意点としては、AIはまだ限定されている環境での使用でしかその力を発揮することができません。

AIを活用するためには、AIの判断ロジックをできるだけ単純化するために、定式化可能な対象に対し、できるだけ多くのデータを取り込む必要があります。

ここでは、AIを監査に活用する場合に意識するべきポイントを紹介します。

AIを監査に活用する際のポイント1:問題を定式化できるか

AIを監査に活用する場合には、問題を定式化できなければいけません。

監査に使えるレベルで業務を定式化するためには、実際の業務の主要ルーチンだけを分析するだけでは足りず、例外ルーチン、突発的ルーチンなどもすべて網羅しないと、実際の業務の流れの適切な分析は不可能です。

網羅的な定式化は現状不可能なので、不整合を起こしやすいルーチンに限定して定式化をして、監査に活かしていくのが現実解でしょう。

AIを監査に活用する際のポイント2:分析可能なデータを入手できるか

AIを監査に活用するためには、どれだけの量の分析可能なデータを集められることが重要です。できれば監査対象期間の関連する全データを得られればそれに越したことはありません。

AIは大量のデータの分析には適していますが、分析するデータは分析しやすい形に整えておかなければなりません。

監査対象の業務に関連する業務システムなどから取れると、出力時点で加工してもらって解析しやすい形のデータが手に入るでしょう。

AIを導入する際の注意すべき点5つ

監査にAIを導入することで得られるメリットは大きいですが、現時点でのAIの成熟度を考えると、注意しなければならない点もあります。

AIを活用するにはこれまでとは比べ物にならない量のデータを扱いますので、ストレージなどのコストがかかります。

また社内の全情報を提供することになり、その情報が流出してしまった場合のリスクは非常に大きなものになります。

ここでは、AIを導入する場合に注意すべき点をご紹介します。

AIを導入する際の注意すべき点1:AIの分析にとる判断の透明性

AIは大量の分析データから、いくつかの仮説を提供してくれますが、その分析の根拠が明確にならない場合があります。

AIは大量のデータの傾向を見て、複数の要因の関連を反映させて仮説を作りますが、その関連性を明確に示せない場合があります。

そのような場合、AIは必須情報を反映しない状態で仮説を立てている可能性もあります。

AIを導入する際の注意すべき点2:バグへの対応や安全性

AI技術はまだ成熟した技術ではなく、バグの存在やセキュリティについて完全に実装しきれていない場合があります。

AIはまだ自己学習で誤りを正せるレベルには達しておらず、プログラミングや仮説作成のロジックなどで不備がある可能性があるので、出てきた結果は常に批判的な眼で確認した方がようでしょう。

AIを導入する際の注意すべき点3:セキュリティ

監査にAIを導入する場合、AIの機能は問題なくても、AIを扱う側のベンダーの体制に問題があり、セキュリティが満たされない場合があります。

AIを導入する場合も、提供するベンダーや運用する業者のセキュリティについては、普通の会社と同じように別途評価しなくてはなりません。

クラウドで処理されるようなシステムだと、提供した全データが悪意ある第三者に盗まれる可能性もあるので、十分な評価が必要です。

AIを導入する際の注意すべき点4:学習データ偏見

監査でAIを使用する場合に、AIだから公正な結論が出てくるという思い込みは厳禁で、AIにもそれまで学習してきた情報によって偏向が生じている可能性を無視してはいけません。

実際に多くのビッグデータを分析したAIは、人間と同じように思い込み、偏見を持つことがあります。

偏向を持ったAIは、その後のデータ分析においても偏向を強める形の学習を選ぶこともあるので、常に監視していなければなりません。

AIを導入する際の注意すべき点5:コスト

監査にAIを使用する場合、自社の業務が独特なものであるほど高いコストを負担しなければならない場合があります。

一般的な業務であれば、それまでの事例をある程度適用できるので、コストを抑えることは可能ですが、独自な業務体形や組織であると、一から開発する必要があり、思いもかけないコストになることがあります。

すべてをAIで処理するのではなく、適用範囲を考えてコストを抑えることも必要です。

監査にAIを導入するにはAIのリスク管理も大切

監査にAIを導入するケースも、プロトタイプ的に始まっていますが、実際に有効に使えるかどうかはまだ未知数です。

監査にAIを導入する場合は、自社で何を実現したいのかをよく考えて、セキュリティのリスクも十分に考えたうえで適用し、望んだ結果を得ていきましょう。

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