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2019年09月12日

超過収益力の計算方法3つ|超過収益力と超過収益率の意味の違い

「超過収益力」という用語をご存知ですか。投資やM&Aを実行する場合には、超過収益力は企業価値を決める重要な要素になります。超過収益力をはなにかを知りたい方、計算方法を理解してこれからの企業価値の向上を考えたい方は是非読んでみてください。

超過収益力の計算方法3つ|超過収益力と超過収益率の意味の違い

超過収益力とは

超過収益力とは、企業が経営を継続していく過程で蓄積された、現時点において測定することができない潜在的な企業価値を指しています。それは単純な財力のみでなく、従業員の作業能力や質の向上、ブランド力、あるいは他企業には存在しない取引上のメリットなどのことです。

貸借対照表に載っている資産には含まれませんが、企業価値を構成するうえで非常に大切な要素になります。

目に見えない資産

超過収益力は、企業の資産や負債といった測定可能な価値を超えた収益力を意味し、目に見えない資産です。定量的に数値化されていませんが、将来的な企業の収益を生み出す源泉となり得ます。

企業価値を評価する際は、潜在的な企業価値である超過収益力も考慮しなくてはいけません。企業の買収や合併といった場面においては、目に見える資産・負債の価値だけではなく、目に見えない超過収益力を加味した企業価値の測定が行われます。

超過収益力の計算方法3つ

超過収益力は、特許権や知的財産権など同じ無形資産に含まれています。有形資産と比較して、無形資産評価は非常に難しいです。

無形資産の評価方法にはいくつかの考え方がありますが、今回は「コストアプローチ」「インカムアプローチ」「マーケットアプローチ」と呼ばれる三つの観点から、超過収益力の計算方法(評価方法)をご紹介します。

対象となる無形資産の種類や評価目的などによって、最適な計算方法を採用しましょう。

超過収益力の計算方法1:コストアプローチ

コストアプローチとは、評価対象となる無形資産の再取得や再生産をする際に必要なコストを、この無形資産の超過収益力として評価する方法です。

対象の無形資産を複製する場合に想定されるコストや、別のもので代用する場合に想定されるコストを計算して価値を評価します。人的資産や社内利用ソフトウェアを評価する際に用いられることが多くなっています。

コストの合計に物価上昇や減価要素の加減算

具体的な計算方法は、コストの合計に対して、インフレによる物価上昇や取得後経過による減価要素の加減算を行います。

減価要素については、その無形資産の効果が持続することが予想される期間を設定して、基準日から現時点までの時間経過分を減額して計算します。

コストアプローチにはデメリットも

コストアプローチに基づく計算方法では、再生産や再取得に要するコストを基に評価するため、将来的な収益力を考慮していないというデメリットがあります。

また情報入手が困難で、コストによる評価額が将来収益を反映していないという問題点もあります。

超過収益力の計算方法2:インカムアプローチ

インカムアプローチとは、対象となる無形資産が将来生み出す一連の経済的な利益の価値を超過収益力として評価する方法です。

インカムアプローチには、「超過収益法」と「企業価値差額法」の二種類の計算方法があります。

超過収益法

超過収益法は、将来得られる平均的な実際収益から期待収益を控除したものを超過収益とし、超過収益を割引率で除したものを無形資産とする方法です。期待収益は、「評価対象である無形資産以外の投下資本×期待収益率」により計算した値です。

下記の計算式により超過収益を算出できます。
・実際収益-期待収益=超過収益
上記の式で算出した超過収益力を、割引率で割ることで無形資産の価値を算出できます。
・超過収益÷割引率=無形資産

(1)超過収益法

 超過収益法は、将来得られる平均的な実際収益から期待収益を控除したものを超過収益とし、超過収益を割引率で除したものを無形資産とする方法です。

 実際収益-期待収益(=対象となる無形資産以外の投下資本×期待収益率)=超過収益
 超過収益÷割引率=無形資産

出典: https://www.tabisland.ne.jp/tdb/kachi/kachi_009.htm |

企業価値差額法

企業価値差額法とは、インカムアプローチやマーケットアプローチで算出した事業価値を基準に、超過収益力の価値を評価する計算方法です。

事業価値にはいくつかの計算方法がありますが、基本的には将来得られるキャッシュフローの現在価値の合計額となります。事業価値から「有形資産」「評価対象外の無形資産」「運転資本」の時価価値を控除して、超過収益力の評価額とします。

企業価値差額法は、今まで紹介した「マーケットアプローチ」や「インカムアプローチ」で事業価値を算出し、事業価値と時価資産額の差額を、無形資産から得られる価値とする方法です。

 事業価値から「有形資産」「評価対象外の無形資産」「運転資本」の時価価値を控除して、無形資産の評価額とします。

出典: https://www.tabisland.ne.jp/tdb/kachi/kachi_009.htm |

超過収益力の計算方法3:マーケットアプローチ

マーケットアプローチでは、類似する無形資産の売買事例や市場の相場をもとに、超過収益力を計算する方法です。評価対象の無形資産と類似するものを比較して倍率を決定し、その倍率に基づいて評価を行います。

しかし無形資産のマーケットはほとんど無いため、類似の取引事例を見つけるのは非常に困難です。類似する事例が見つからない場合は、この計算方法は活用できません。

マーケットアプローチでは、類似の無形資産の売買事例や、類似のライセンス契約のロイヤリティから算出します。例えば売買事例から算出する方法では、対象となる無形資産と類似の無形資産を比較して乗数(倍率)を決定し、評価額を算出します。しかし無形資産のマーケットは皆無に等しいため、類似の事例を発見するのは非常に困難です。

 ロイヤリティから算出する方法では、将来のロイヤリティ収入(すなわち将来キャッシュフロー)から無形資産の価値を算出します。

出典: https://www.tabisland.ne.jp/tdb/kachi/kachi_009.htm |

子会社株式の評価と超過収益力

時価を把握しにくい企業の子会社化の場合、企業価値は1株当たり純資産額に株式数を掛け合わせた金額により株式取得するのが一般的です。子会社の評価額を決める際に企業の超過収益力を買収価格に含める場合もあります。

本来の純資産額よりも高い価格で評価することになるので、もし子会社企業が期待どおりの業績をあげる事ができない場合には、評価額を減額する必要があります。

減損処理とは

企業の評価額の減額は減損処理と呼ばれています。減損処理によって多額の減損損失を計上することになるので、資金繰りの悪化となる恐れがあります。

減損処理とは、投資金額を回収できないと認識した時点で、回収可能な金額まで固定資産の価値を減少させる会計処理のことをいいます。減損処理をすることによってマイナスのイメージを持たれることも多いですが、その後の利益率が良くなる傾向もあります。

減損処理とは、投資金額を回収できないと認識した時点で、回収可能な金額まで固定資産の価値を減少させる会計処理です。

事業の成長にとって、固定資産に対する投資は不可欠です。

将来の収益アップを見込んで固定資産を購入する訳ですが、期待通りの結果が出るとは限りません。

会社を成長させることは非常に難しいことであり、失敗するリスクが伴います。

当初の計画を達成できないと判断したタイミングで、購入した固定資産の価値を回収可能価額まで減額する必要があります。

この時固定資産の価値を減額する会計処理を、減損処理(または減損会計)と言います。

減損処理に関しては厳格な会計基準が設けられており、その会計基準に基づいて減損処理を行います。

出典: https://mastory.jp/%E6%B8%9B%E6%90%8D%E5%87%A6%E7%90%86 |

超過収益力と類似の言葉「超過収益率」とは?

ここまで超過収益力について言及してきましたが、類似する言葉で「超過収益率」というものがあります。

非常に似ている言葉ですが、超過収益力と超過収益率にはどのような違いがあるのでしょうか。

超過収益率と超過収益力の違い

超過収益率とは、投資や運用の用語で、ファンドやポートフォリオのベンチマーク(指標)のリターンを上回る部分のことを指します。

アクティブリターンや超過リターンともいいます。超過収益率のボラティリティー(標準偏差)をトラッキング・エラーといい、ファンドの運用成績を評価する尺度のひとつであるインフォメーション・レシオを計算する際に用います。

超過収益率とは、投資ファンド等のベンチマーク(参考とする指標)のリターンを上回る部分や、無リスク資産のリターンを上回る部分を指します。

例えばある投資家がベンチマークとしている株式のリターンが10%であれば、10%以上の部分は超過収益率となります。

無リスク資産のリターンが0.1%の場合、0.1%以上の部分も超過収益率と呼べます。

出典: https://mastory.jp/%E8%B6%85%E9%81%8E%E5%8F%8E%E7%9B%8A%E... |

全く意味が異なるので注意

超過収益力は企業の目に見えない価値のことを指し、超過収益率はベンチマークを上回るリターンのことを指します。超過収益力と超過収益率は一字違いですが、意味も使い方も全く異なります。注意して使用しましょう。

超過収益力とは、貸借対照表に載っている資産に含まれないものの、企業価値を構成する大事な要素になります。

出典: https://mastory.jp/%E8%B6%85%E9%81%8E%E5%8F%8E%E7%9B%8A%E... |

超過収益力は将来的な企業の評価を決める重要な要素

投資やM&Aなどを検討する場合、対象企業の企業価値を適正に評価するために、このような超過収益力を加味して企業評価を行う必要があります。定量的に数値化されていませんが、将来的な企業の評価を決めるためには重要な要素になります。

超過収益力を正しく理解し、企業の価値を上げるために超過収益力の向上を目指しましょう。

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