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医療機関で使用するCTとMRIの違い・病気別の選択方法

初回公開日:2017年09月12日

更新日:2017年09月12日

記載されている内容は2017年09月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

CTとMRIの違いをご存知でしょうか。「MRIの方が優れていそう」「CTは簡単に撮れるけど何で撮るんだろう」など日ごろの受診で気になっている方も多いのではないでしょうか。CTとMRIの違いを知って、是非健康管理の参考にしてください。

医療機関で使用するCTとMRIの違い・病気別の選択方法

CTとMRIについて

脳神経外科や神経内科、整形外科などへ受診してCTかMRIを撮りましょう、と言われて事がある方は多いのではないでしょうか。また、緊急事態で救急外来などへかかった場合などもCTやMRIを撮ることが多くあります。似たような機械でありながら、CTとMRIの違いはどこにあるのでしょうか。

CTとは?

CTとはComputed Tomographyの略語で、直訳するとコンピュータ断層撮影といいます。CT検査は「X線」を使います。X線で身体の内部を画像化するのですが、通常のレントゲン撮影と違い断層写真にして連続撮影することで、身体の内部がより細かく立体的にみられるのが特徴です。

撮影時間が短く、出血の有無が分かりやすいのでくも膜下出血や脳出血の超急性期など、緊急事態に対応することが可能です。時間的な余裕があり、血管内部や病巣をよりはっきりとみたい時は、造影剤を使った撮影方法もあります。ただ、X線を使っているので放射線被ばくがあるのが難点です。

MRIとは

MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの略語で、直訳すると磁気共鳴画像診断装置といいます。MRI検査は「強力な磁気」を使います。磁石でできた筒の中に入り、磁気の力で体の臓器や血管を撮影します。MRIはより精密に臓器内を見られることが特徴で、脳や脊髄や関節、骨盤腔内の臓器に至るまで精密検査ができます。

CTのように横断面だけでなく、様々な断面からの撮影ができるのでより立体的に診察ができます。CTでは造影剤が必要な撮影であってもMRIなら不要ということもあります。

ただ、撮影時間が30分と長く更に磁気が共鳴する音や閉鎖的な空間が辛い方も少なくありません。X線による被ばくはありませんが、体内にペースメーカ(種類による)が入っていると撮影できないことが難点です。

医療機関のCTとMRIの違い

このように記述すると、MRIの方が一見優れているように聞こえるかもしれません。しかし、実際には一長一短があり決してMRIばかりが適しているとはいえないのです。

また、臓器によって単純に適否的があるわけでは無く、同じ臓器でも疾患によって使い分けられることもあります。それぞれの使い分け方や違いについてご説明します。

CT検査が適しているのは?

CTは、骨など水分の少ない臓器の撮影に向いています。なので、骨や歯、肺、腸管などの臓器の撮影には適しています。特に胸部や腸管はMRIではみづらく、ほとんどCTが選択されます。肺がんや骨盤腔内の尿管や腎臓などの結石などは、CTで鑑別します。

また、CTは出血を映し出す能力に優れているので、同じ脳の撮影でも脳出血はCT撮影が適しています。脳出血は一刻一秒を争うことが多く、撮影時間も短いCTは優れた検査能力を示してくれています。外傷後に全身的に出血部位が無いか、スクリーニング的に見るにもスピーディに全身を撮影する能力を持つCTが選ばれます。

MRI検査が適しているのは?

MRIは、脳や内臓器、生殖器、整形外科疾患などの撮影に向いています。脳血管の精密検査ができるため、脳梗塞や脳動脈瘤、他の臓器に関しても血管をよくみたい時はMRIが選択されるでしょう。また、軟骨や靭帯など柔らかい部分もMRIで見ることができます。

内臓器はCTと組み合わせて診断することもあります。水分も多くX線やCTではぼんやりしてしまう画像も、MRIであれば鮮明に見えるので最終的な精密検査に使われることが多いでしょう。

CTとMRIの費用の違い

単純に比べると、MRIの方が高いと思っても間違いはありません。ただ造影剤などを使ってCT撮影をすれば、高額になることもあります。以下に平均的な費用をあげます。(カッコ内は3割負担の場合の、自己負担金額です。)
○単純CT:約¥20000(¥6000)
○造影CT:約¥35000(¥10000)
○単純MRI:約¥18000~¥26000(¥5400~¥7800)
○造影MRI:約¥22000~¥26000(¥6600~¥12600)

費用的にMRI撮影をためらってしまう方もいるかもしれませんが、緊急事態になって救急車に乗ったり、夜間救急などにかかったりすればもっと費用がかかります。必要な検査であれば、必要な金額といえます。

脳の疾患に関してのCTとMRIの使い分け

脳は脳実質と3枚の膜に覆われ、髄液という水分が循環しています。脳の血管も精巧に張り巡らされており、人間の体をコントロールしています。この脳がダメージを受けることは、人間としての動きや考えができないという結果にもなりかねません。そこで、脳の疾患は早期発見・早期治療が最優先です。

脳に関して大ダメージを与える疾患は脳出血、くも膜下出血といった出血系と、脳梗塞の梗塞系が主になります。

他に脳動脈瘤や脳腫瘍なども怖いですが、一瞬にして急速なダメージを与えるのは脳出血と脳梗塞です。脳の疾患が疑われて救急で運ばれると、大抵は脳出血と脳梗塞の鑑別のため、まずCTを取ります。ここで出血が見られれば、すぐに手術等の脳出血に対する緊急処置に入ります。

出血がなければ引き続いてすぐにMRIへ入り、脳梗塞を精査します。そして、発症時間がはっきりしていればその時間に応じて血栓融解療法や、血管内カテーテル治療などをしていきます。脳に関して、CTとMRIは共同で病巣の発見をしていく検査といえるでしょう。

画像の違い・CT

CTとMRIでは、同じものを映しても違う画像になることがあります。○CT CTはX線を使いますので、X線の透過性つまり写りやすさ、とX線の吸収しやすさによって色合いが違ってきます。骨などはX線が透過しにくく吸収しやすいという性質を持つので、白く写ります。よく見るレントゲン写真です。

X線が透過しやすく吸収しにくい部分は黒く写ります。例えば水分の多い脂肪組織や空気などです。胸のレントゲンが胸骨という骨だけ写って見えるのは、周りの灰の空気は透過されて黒く写り、骨は透過されず白く写ることに寄ります。透過しにくい部分を高吸収域、透過しやすい部分を低吸収域といいます。

画像の違い・MRI

MRIにはいくつかの撮影方法があり、画像もCTやレントゲンのように単純な移り方だけではありません。磁場の中でラジオ波という電波を照射して、そこから発せられる信号を画像に変換するので、その信号の強度によって写り方が違ってくるのです。

よく使われる撮影方法のT1などでは脂肪や筋肉は高吸収域として白く、脳脊髄液などは低吸収域として黒く写ります。これをまた別の見方をして鑑別したいようなときは、別の撮影方法を試みることができます。

病気の検査ではどちらを使うのか

CTとMRIでは病気によっても得意分野が違います。医師はどう使い分けているのでしょうか。また自分が医療機関にかかった時、どんな画像をとってもらえばよいでしょうか。

くも膜下出血

くも膜下出血の診断はCTが適しています。くも膜下出血がおこると、脳脊髄液という脳周囲を循環している液体に出血した血液が混ざります。これをCTで撮影することができます。CTで分からない場合はMRIや脊髄液を注射で取り出して血液の混入を確かめます。

生命レベルの危機のあるくも膜下出血はCTで即時診断し、緊急手術となります。頭痛が続いてくも膜下出血が疑わしいというレベルの時は、MRIや穿刺等で調べることもありますが意識や呼吸状態が危機レベルの時はCTが適しています。

乳がん

乳がんの確定診断は生検です。画像診断ではマンモグラフィや超音波検査は有効ですが、確定診断にはならないと言われています。ただ、MRIはスクリーニング的には使えることもあります。乳腺MRIは特異度が低いので、疑陽性という結果が多くなってしまうのです。つまり、乳がんの可能性はあるので再検査しましょうという材料にはなるでしょう。

また術前の転移の状態や術後の状態をみるのには、MRIは一定の有効性があります。

人間ドック

人間ドックで脳の病気を心配されているならMRIが良いでしょう。今現在、激しい頭痛などの症状が無く検診ということなら微細な脳梗塞も分かりますしMRIが有効性があります。しかし、胸部の臓器に不安があったり骨盤内の臓器に不安があってオプションで受けたい時などはCTが良いことがあります。

つまり、自分自身の不安な疾患や臓器によって使い分けることが大切です。人間ドック担当者に確認してみると良いでしょう。

脳梗塞

脳梗塞の診断はMRIが適しています。脳出血、脳卒中状態であればCTですぐ鑑別して緊急処置ですが、拘束に関してはMRIで鑑別します。ただ、その撮影方法は違ってきます。脳梗塞は早期発見して治療に進めれば、点滴静脈注射だけで麻痺が改善してしまいます。

発症時刻から間もない(3時間以内など)脳梗塞と予測されれば、一刻も早く診断をつけたいですがMRIは時間がかかるデメリットがあります。そこで、diffusionという撮影方法で急性期脳梗塞の起きている血管の部位と脳のダメージだけ診断して治療に進むことがあります。

既に24時間以上経過して麻痺が成立してしまっているような状態の時と、このような超急性期の時とでは撮影方法を変えて脳梗塞の治療に適応させています。

ヘルニア

腰痛で整形外科を受診された場合には、まずレントゲン検査というのが王道です。レントゲン検査をしてヘルニアが疑われた場合に、精密検査として選ばれるのはMRIが適しています。

CTでもヘルニアの突出は見えますが、MRIではより細かく神経の圧迫具合などが見えるので治療にも有効です。ただ、ペースメーカが入っていたり、認知症で長時間じっとしていられない時などはCTが有効な検査となります。

もう一つ難点は長時間の同じ体位での安静臥床で、ヘルニアの方はこれが耐えられないこともあります。そのような時もCTに頼らざるを得ないでしょう。

レントゲンとの違いは何か

レントゲンは初期診断として全体像を見るには有効です。特に整形外科領域などでは、まずレントゲンを撮ります。骨折や脱臼などはレントゲンで確定診断がつきますので、すぐに治療に入ることができます。

ただ健康診断でよく撮る胸部のレントゲンなどで、がんなど疑わしい画像があればCTやMRIなどの精密検査が必要になります。すぐにCTやMRIを撮ればよいのでは、と思われる方もいるでしょう。

CTやMRIは撮影方法などを決めるにも、確定診断したい病気をある程度狙いをつけておかなくてはなりません。そこで、まずレントゲン検査をして全体像を知り、その後に精密検査をするという診断方法が有効なのです。

今後CTやMRIがどんどん普及しても、このような理由からレントゲン検査が無くなることは無いでしょう。

CT・MRIを知り賢く受診する

CTやMRIの検査方法を決めるのは医師ですが、最近は患者側が意見を言えることも増えてきています。特に人間ドックなどは、医療機関も患者では無くお客様としてみていますから、できるだけ要望に沿いたいのです。

自分の症状や家族の病歴などから、不安に思っていることがあればとって欲しい検査を依頼してみましょう。健康な生活は自分のためですから、知識をつけて適切なタイミング、適切な方法で健康診断をしましょう。

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