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厚生年金と国民年金の違い・各種の手続きについて

初回公開日:2017年09月11日

更新日:2017年09月11日

記載されている内容は2017年09月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

国民年金と厚生年金の違いがよくわからない、そもそも年金という制度に異なる種類のものがあるのはなぜなのか、どう手続きすればどの年金制度に加入できるのかわからないと、年金について疑問がある方も多いのではないでしょうか。ここでは年金の違いについてご紹介します。

厚生年金と国民年金の違い・各種の手続きについて

年金の制度とは

年金の制度には、公的年金と個人年金があります。個人年金は個人の保険や積立で、決められた年齢に達すると払い戻しが受けられる制度です。公的年金は、個人年金とは異なり、社会全体で予期できない未来に備えるために国が運営している仕組みです。日本の公的年金制度には、老齢年金としての国民年金・厚生年金・共済年金があります。

国民年金は20歳以上の日本国民がすべて加入する年金であり、厚生年金は会社に勤めているひとが、共済年金は公務員が、国民年金に上乗せされる形で支給される年金です。本記事では、国民年金と厚生年金の違いについて解説していきます。

厚生年金と国民年金はどう違うの?

国民年金は基礎年金ともよばれ、成人した日本人が全員加入する年金です。厚生年金は、国民年金に追加する形で加入する企業の年金です。国民年金は基礎年金であり、厚生年金は国民年金に上乗せされる年金という位置づけです。

自分は厚生年金は加入しているけど、国民年金には加入していないと誤解している人もたくさんいます。厚生年金の保険料は給与明細に記載されていて、給料から支払っているという認識があるのですが、国民年金の保険料については給与明細に記載されていないことから、支払っていないと勘違いしているのです。

国民年金の保険料は、厚生年金の保険料に含まれているので、厚生年金に加入している人は必ず国民年金の保険料も支払っていることになります。

加入条件

国民年金の加入条件は20歳以上60歳未満の日本国民全員です。

厚生年金の加入条件は、
・勤務している会社が社会保険への加入を義務付けられている規模の会社である
・週に20時間以上勤務する者※
・8万8,000円/月の賃金を得ている者※
をすべて満たすことです。

ただし、※印の2つの条件は、従業員が500人以下の会社の場合や学生・75歳以上・雇用保険加入年数が1年未満といった人の場合は、適用条件がもう少し狭くなることがあります。

掛け金

国民年金の掛け金(保険料)は加入者の所得や収入に関係なく、一律の金額です。平成29年度は16,490円/月です。

厚生年金保険料は加入者の収入(標準報酬月額)によって異なります。厚生年金保険料の半額は勤務先の会社が負担するので、加入者の実質負担も半額ですみます。

平成29年9月からの標準報酬月額別の厚生年金保険料(一例)は以下の通りです。
20万円:36,600円 /実質負担18,300円
30万円:54,900円 /実質負担27,450円
41万円:75,030円 /実質負担37,515.円

加入期間

これまでは、国民年金を受け取るためには、20歳から60歳の間に、保険料納付済期間と国民年金の保険料免除期間などをあわせた「資格期間」が原則25年(300月)以上必要でした。平成29年8月1日からは、この資格期間が10年以上に短縮されました。

厚生年金には、年金を受け取るために必要な「資格期間」というものはありませんが、20年を境に配偶者への加給年金や障害厚生年金など、通常の年金よりも手厚い対応を受けられることもあります。厚生年金自体は、加入期間と標準賃金に応じた金額が支給されるので、短い期間しか加入していなくても無駄になることはありません。

年金手帳

年金手帳は、20歳以上の日本国民であれば誰もが持っているものですが、加入した年代によって手帳の色や形状は異なります。年金手帳は、公的年金共通のもので、国民年金しか加入していない場合も、厚生年金に加入している場合も同じ「年金手帳」を利用します。

年金手帳は20歳以上の日本国民であれば持っているはずのものですが、「手元に年金手帳がない」「年金手帳を見たこともない」という場合は、勤務する会社で保管している場合もあります。勤務している会社に確認してみてください。

紛失した場合は、再発行してもらえるので、「ねんきんダイヤル」やお近くの年金事務所へ問い合わせてください。

支払金額

支払われる年金の金額は、加入していた年数(国民年金であれば資格期間)によって異なります。国民年金の場合、40年間の全額を収めた人の平成29年4月からの受給額は、779,300円です。

厚生年金によって支払われる年金は、国民年金よりも算出方法が複雑で、個人の賃金と加入期間などから計算する必要があります。平成15年を境に、受給額の算出に必要な賃金の考え方が変わっているので、自分で計算してみるのは難しくなっています。受給額を計算してくれるシミュレーションツールも公開されているので参考にしてみてください。

厚生年金と国民年金の手続きについて

ここからは、厚生年金と国民年金の手続き上の違いについて解説します。基本的に、厚生年金の場合は、勤務先の会社が手続きを行ってくれます。個人が意識しなければいけない手続きではありませんが、就職・退職など、国民年金と厚生年金の切り替えが必要となるタイミングでは、個人が行わなければならない手続きが発生します。

年金保険料の納付期限

国民年金の納付期限は、法令で「納付対象月の翌月末日」と定められています。この期限が守られないと障害基礎年金や遺族基礎年金といった特定の年金が受給できない場合があります。

納付期限をうっかり過ぎてしまった場合に、そのまま年金保険料を納付しないと、需給に必要な「資格期間」から保険料を支払わなかった月が除外されてしまいます。納付期限を過ぎてしまった場合も、2年間の猶予期間内であれば支払うことができます。納付期限から2年を超えると、その月の年金保険料は支払うことができなくなるので注意が必要です。

厚生年金の毎月の保険料は、翌月末日までに納付しなければなりません。厚生年金保険料は雇用主と従業員の折半となり、納付は事業主が行います。多くの場合、従業員が負担する厚生年金保険料は、従業員の賃金報酬から天引きという形で徴収されています。

年金保険料の金額

国民年金の保険料は毎年決められており、加入者一律の金額です。平成29年度は、ひと月16,490円が徴収されます。

厚生年金保険料は加入者ごとの収入(標準報酬月額)によって異なります。厚生年金保険料の半額は勤務先の会社が負担するので、加入者の実質負担は半額ですみます。

平成29年9月からの標準報酬月額別の厚生年金保険料(一例)は以下の通りです。
20万円:36,600円/実質負担18,300円
30万円:54,900円/実質負担27,450円
41万円:75,030円/実質負担37,515円

国民年金と厚生年金を二重に払ったらどうなるの?

ここまで解説したように、厚生年金というのは国民年金(基礎年金)に上積みされた年金です。厚生年金の保険料には国民年金の保険料も含まれているので、本来は国民年金と厚生年金を支払うということはありません。

しかし、国民年金を支払っていた人が就職したときに、就職先の会社から社会保険事務所(年金の手続きを行う公的機関)への連絡が遅れたなどの理由で、二重に支払ってしまうこともあります。二重に支払ってしまったお金は、返還(還付)してもらうことができます。最寄りの社会保険事務所に問い合わせてください。その際は、年金手帳に記載されている「基礎年金番号」が必要になります。

アルバイトをしたら年金保険料は免除されないの?

国民年金には保険料免除の制度があります。保険料免除されている期間は、年金需給に必要な「資格期間」に算入されます。保険料免除には全額免除のほか、4分の3免除などの一部免除もあります。この免除の割合は、収入に応じて決まります。

単身世帯で全額免除の場合は、年間所得額の目安が57万円、年収122万円が上限となります。単身世帯で4分の1免除の場合は、年間所得額の目安が189万円、年収296万円が上限となります。

アルバイトをしても、年間所得額が免除対象の範囲内であれば、年金保険料の免除を受けることができます。

フリーターはどうしたらよいの?

フリーターが加入できるのは国民年金です。自分の住む市区町村の役所へ行き、年金窓口で手続きをします。フリーターのため、収入が安定せず、年金保険料が支払えないというのであれば、保険料免除の手続きをおすすめします。免除希望の場合は、近くの社会保険事務所で相談することができます。

厚生年金への加入が魅力的に思えるがフリーターを続けたい、という場合は、正規雇用以外の雇用形態の従業員も厚生年金に加入させてくれる企業への就職を考えてください。フリーターという言葉の定義にもよりますが、正規雇用以外の雇用形態をフリーターと定義するのであれば、契約社員やパートのような形であれば、厚生年金の加入条件(労働時間・賃金)を満たせば、厚生年金への加入が可能です。

フリーランスはどうしたらよいの?

フリーランス(自営業)は国民年金しか選択肢がありません。今まで会社勤めをしていた人がフリーランスに切り替える場合は、厚生年金から国民年金に切り替える手続きが必要になります。

国民年金の保険料は厚生年金と異なり、全額自分で支払うことになります。全額自己負担にはなりますが、税制上のメリットもあります。支払った国民年金の保険料は、フリーランスとして得た年間所得から全額控除されます。

会社員は、個人で支払った保険料は数万円程度しか所得控除されませんが、フリーランスの場合は、国民年金保険料の全額を「社会保険料控除」として所得から控除が可能なのです。

厚生年金から国民年金に切り替えた人は、国民年金の第2号被保険者から第1号被保険者になります。扶養家族である配偶者がいる場合、配偶者は第3号被保険者から第1号被保険者に変更され、厚生年金のときには支払っていなかった保険料の支払いが発生します。

国民年金から厚生年金への加入切り替え

国民年金を支払っていた人が就職した場合、厚生年金への切り替え手続きは、就職先の会社が行うことになります。個人で行う手続きはありません。

すでに国民年金の前納をしていた場合、国民年金から厚生年金への切り替えが完了すると、社会年金事務所から還付に関する書類(還付請求書)が郵送されます。書類に記入し、返送すれば、後日指定した口座に還付金が入金されます。

厚生年金と国民年金の加入切り替え

勤めていた会社を退職し、求職活動をしたりフリーランスに切り替える場合は、国民年金への切り替え手続きをする必要があります。退職から14日以内に自分の住む市区町村の役所で手続きをします。以下のものを持参すれば、手続きはすぐに行ってもらえます。

・年金手帳
・退職日が確認できるもの(退職証明書・離職票など)
(扶養する配偶者がいる場合は、配偶者の年金手帳も持参)

会社を退職するとき厚生年金はどうなるの?

就職時から退職時まで支払った厚生年金保険料は、退職したからといって無駄になることはありません。たとえ短い加入期間だったとしても、加入していた期間の賃金と加入期間から算出される金額を厚生年金として受給できます。

結婚して苗字が変わったとき

結婚により苗字が変わった場合は、氏名変更の届出をする必要があります。

厚生年金の場合は、「被保険者氏名変更(訂正)届」と「年金手帳」を勤務する会社に提出します。提出する書類など手続きの手順は、勤務する会社に確認してください。

国民年金の場合は、お住まいの市区町村の役所の窓口で、「被保険者氏名変更届」を記入して提出します。市役所・区役所へ行く際は年金手帳を持参してください。

結婚して配偶者の扶養家族になるとき

結婚を機に配偶者の扶養家族となる場合は、配偶者が加入している年金の種類と自分が加入している年金の種類により手続きが異なります。

配偶者が厚生年金の加入者の場合は、配偶者が勤務する会社に「国民年金第3号被保険者該当届」を提出します。その際、夫婦双方の年金手帳が必要です。その後の手続きは会社の担当者が行ってくれます。

配偶者が国民年金の加入者の場合は、配偶者の扶養家族となっても国民年金の第1号被保険者として配偶者とは別にあなたの分の国民年金保険料を支払う必要があります。あなたが結婚するまで厚生年金に加入していた場合は、国民年金への切り替えの手続きが必要となります。

自分の年金を理解し、考えてみましょう

年金の制度は予測しづらい将来に社会全体として備えるための国の制度です。これから先、就職したり、退職したり、フリーランスになったりと、働く状況が変わったとしても、状況に応じた年金に加入する手続きを行っていきましょう。

きちんと考えたり理解したりすることなく、「義務」だから加入しているという人が多い年金制度。今回の記事で、国民年金と厚生年金の違いやそれぞれの手続きについて理解していただけたでしょうか。きちんと制度を理解して将来に備えましょう。

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